新婚生活が始まって三ヶ月。ふたりで選んだリビングのラグの上で、休日の午後を過ごすことが私たちのお気に入りの時間になった。淡いベージュのラグは、彼が「君の好きな色だから」と言って選んでくれたもので、触れるたびに柔らかな感触が心まで温めてくれる。
朝のコーヒーを飲み終えた後、自然とふたりともこのラグの上に座り込む。彼は新聞を広げ、私は雑誌をめくる。言葉を交わさなくても、相手の存在を感じられる距離感が心地よい。時折、彼が面白い記事を見つけては「ねえ、聞いて」と話しかけてくる。その声のトーンだけで、彼が楽しい気分でいることが分かる。
このラグを選んだ日のことを、今でも鮮明に覚えている。結婚式の準備で忙しい合間を縫って訪れた家具店で、私たちは何時間もラグを見て回った。「これからずっと一緒に過ごす場所だから」と彼は真剣な表情で言った。その言葉に、これから始まる生活への夢と期待が込められていた。
ラグの上では、いろいろなことをする。読書をしたり、音楽を聴いたり、ただぼんやりと窓の外を眺めたり。先週は、彼がギターを弾いてくれた。結婚前のデートで初めて聴いた曲だった。下手だけど一生懸命な演奏に、思わず笑顔がこぼれた。楽しい時間は、特別なことをしなくても自然と生まれるものだと気づかされる。
夕方になると、西日がラグの上に長い影を落とす。その光の中で、彼と向かい合って座り、今日あったことを話す。彼の仕事の話、私の趣味の話、これから行きたい場所の話。話題は尽きることがない。結婚する前は、毎日一緒にいたら話すことがなくなるのではないかと心配していた。でも、その心配は杞憂だった。むしろ、一緒にいる時間が長くなればなるほど、話したいことが増えていく。
このラグの上で、私たちはこれからの夢についてもよく語り合う。いつか子どもができたら、この上で一緒に遊ぶのだろうか。その子が大きくなったら、家族三人でここに座って映画を見るのだろうか。そんな未来の光景を想像すると、胸が温かくなる。夢を語ることは、ふたりの未来を一緒に描くことなのだと実感する。
ラグの手入れは、私たちの共同作業になった。週末の朝、掃除機をかけるのは彼の役目で、月に一度のクリーニングは私が担当する。「大切に使おうね」という約束を、こうして守っている。物を大切にすることは、ふたりの時間を大切にすることと同じだと思う。
雨の日は、特にこのラグの上で過ごす時間が長くなる。窓の外で降る雨音を聞きながら、ホットココアを飲む。彼の肩に寄りかかると、彼の体温と心臓の音が伝わってくる。何も言わなくても、ここにいるだけで安心できる。結婚とは、こういう穏やかな時間を積み重ねていくことなのだと思う。
先日、友人が遊びに来た時、「新婚なのに落ち着いているね」と言われた。確かに、ドラマのような劇的な展開はない。でも、このラグの上で過ごす何気ない時間こそが、私たちにとって最も楽しい瞬間なのだ。相手の存在を感じながら、それぞれの時間を過ごせる関係性を築けたことが、何より嬉しい。
夜、眠る前にもう一度リビングに戻ることがある。暗闇の中、月明かりに照らされたラグを見ると、今日もふたりで過ごした一日が愛おしく思える。明日もまた、このラグの上で穏やかな時間を過ごせることを楽しみに、寝室へと向かう。
ふたりで選んだ一枚のラグが、私たちの新婚生活の中心にある。そこには、これからも数え切れないほどの思い出が刻まれていくだろう。相手を感じながら過ごす穏やかな時間が、私たちの夢を育んでいく。このラグとともに、ふたりの物語はこれからも続いていく。
組織名：株式会社スタジオくまかけ / 役職名：AI投稿チーム担当者 / 執筆者名：上辻 敏之
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