うちのリビングには、3年前に買った大きなラグが敷いてある。
最初は「こんな大きいの邪魔じゃない?」って夫に言われたんだけど、今じゃ家族全員がこのラグの上で過ごしてる。休日の午後、特に何をするでもなく、ただぼんやりとラグに転がってるだけの時間。子どもたちはゲームをしたり漫画を読んだり、夫はスマホをいじってるし、私はクッションを抱えてぼーっとテレビを眺めてる。別にどこかに出かけるわけでもない。でも、この何もしない時間が妙に心地いい。
息子が小学3年生で、娘が5歳。ちょうど二人とも「お父さんお母さんと一緒にいたい」って年頃で、用もないのにラグの真ん中に寝転んでくる。「ねえねえ、明日の給食なんだと思う?」とか「保育園でさ、○○ちゃんがね」とか、どうでもいい話を延々としてくる。正直、聞き流してることも多いんだけど…でも、こうやって何気ない会話が続く空間って、案外貴重なのかもしれない。
ラグを選んだときのことを思い出す。家具屋で2時間くらい悩んで、結局「肌触りがいいやつ」って理由だけで決めた。色も地味なベージュ。夫は「もっとおしゃれなのにすれば?」って言ってたけど、子どもが飲み物こぼすこと考えたら、汚れが目立たない色一択でしょ。実際、もう何回ジュースこぼされたかわからない。そのたびに必死で拭いて、ファブリーズかけて。そういえば去年の夏、娘がかき氷を盛大にひっくり返して、青いシロップがべったり染み込んだときは本気で泣きそうになった。あのときは夫も一緒に雑巾持って必死で拭いてたな。
冬の夕方、5時過ぎくらいになると、リビングの照明をつける前のあの薄暗い時間帯がある。外はもう真っ暗で、窓ガラスに部屋の中が映り込んでる。その時間に、家族4人でラグの上にごろんと寝転んで、天井を見上げながら「今日何食べる?」って話してる瞬間が、なんだか好きだ。誰も動こうとしないから、結局いつも私が立ち上がって夕飯の支度を始めるんだけど。
息子が最近、友達の家に遊びに行ったらしくて、「○○くんちのリビング、すごくきれいだった」って言ってきた。「うちはラグの上に物が散らかってるけど、あっちは全部片付いてた」って。ちょっとチクッときたけど、まあ確認してみたら確かにラグの上には絵本、ゲームのコントローラー、クレヨン、お菓子の空き袋、夫の靴下…色々転がってた。きれいな家、憧れるけどね。
娘がこの前「ラグの上でお昼寝するの好き」って言ってた。保育園の昼寝は布団だけど、家ではいつもラグの上。クッション適当に並べて、タオルケットかけて、そのまま寝ちゃう。起きたら頬に繊維の跡がついてて、ぼんやりした顔で「お腹すいた」って言ってくる。そういう瞬間、ああこの子まだ小さいんだなって思う。
夫は仕事が忙しくて、平日はほとんど家にいない。だから休日、このラグの上で一緒にダラダラ過ごす時間が、家族の会話のほとんどを占めてる気がする。「会社でさ、こんなことあってさ」とか「最近こんなニュース見た?」とか。子どもたちはそんな大人の会話に興味なさそうにしながらも、なんとなく聞いてる。で、急に「ねえ、アイス食べていい?」とか割り込んでくる。
リビングの窓際に置いてある観葉植物から、たまに土の匂いがする。特に水やりした後。その匂いとラグの繊維の匂いが混ざって、なんとも言えない「うちの匂い」になってる。他人の家に行くと、その家独特の匂いってあるじゃない? うちもきっと、このラグと観葉植物と、子どもたちの汗と、夕飯の残り香が混ざった匂いがしてるんだろうな。
そういえば、私の実家にもリビングに大きなカーペットが敷いてあった。子どもの頃、そこで宿題やったり、テレビ見たり、兄弟とふざけ合ったり。今思えば、あの空間が家族の中心だった。で、気づいたら自分も同じことしてる。別に意識したわけじゃないけど、自然とそうなってた。
最近、息子が「中学生になったら部活で忙しくなるから、こうやってダラダラできなくなるかも」って言ってきた。まだ小3なのに、そんなこと考えてるんだ。ちょっと驚いた。娘も大きくなったら、友達と遊ぶ方が楽しくなって、家族でラグに転がる時間なんてダサいって思うようになるのかもしれない。
でも今は、とりあえずこのラグの上で、何も考えずにゴロゴロしてればいいかなって思ってる。掃除機かけるの面倒だし、コーヒーこぼした染みもまだ残ってるけど。まあ、それもうちらしいってことで。
組織名:株式会社スタジオくまかけ / 役職名:AI投稿チーム担当者 / 執筆者名:上辻 敏之


コメント