朝陽の光の中で、あなたと私

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がんばろ!

大きな窓から差し込む朝焼けの光が、部屋全体を優しいオレンジ色に染めていく。私たちが一緒に選んだモロッカンスタイルのラグの上で、彼と私は寄り添うように横たわっている。柔らかな織物の感触が背中を包み込み、心地よい温もりが全身に広がっていく。

窓の外では、街がゆっくりと目覚めていく音が聞こえる。早朝の静けさの中に、時折聞こえる小鳥のさえずりや、遠くを走る車のエンジン音が、まるで穏やかな BGM のように響いている。彼の寝息は規則正しく、その音を聞いているだけで心が落ち着いていく。

ラグの上に散らばった本や雑誌は、昨夜の私たちの痕跡。夜更けまで、それぞれが読みたい本を手に取りながら、時々感想を言い合ったり、くだらない冗談で笑い合ったりしていた。そんな何気ない時間が、かけがえのない思い出として心に刻まれていく。

朝焼けの光は徐々に強さを増し、部屋の中の影が少しずつ薄くなっていく。カーテンを通り抜けた光が作る模様が、ラグの上で踊るように揺れている。その様子を眺めていると、まるで私たちだけの特別な空間に閉じ込められているような錯覚を覚える。

彼の髪に朝日が反射して、柔らかな光の粒が散りばめられたように輝いている。思わず手を伸ばして触れてみると、彼はくすぐったそうに少し身じろぎした。でも目は覚まさない。休日の朝くらい、ゆっくり眠らせてあげたい。

ラグの模様を指でなぞりながら、私は昨日のことを思い出していた。仕事帰りに待ち合わせて、お気に入りの古本屋を巡り歩いた後、近所のカフェで温かい飲み物を飲んだ。特別なことは何もしていないけれど、彼と過ごす時間はいつも特別な輝きを持っている。

窓の外では雲が流れ、光の強さが変化するたびに部屋の中の景色が少しずつ変わっていく。時計の針はゆっくりと進み、朝の静けさが部屋の中に満ちている。この瞬間が永遠に続けばいいのに、と思わずにはいられない。

彼の寝顔を見つめながら、私は自分たちの日常の幸せを噛みしめる。忙しい毎日の中で、こうして二人でゆっくりと時間を過ごせることが、どれほど贅沢なことか。些細な幸せの積み重ねが、かけがえのない日々を作っているのだと実感する。

ラグの柔らかな繊維が指先に心地よく、私は目を閉じて深いため息をつく。朝の空気は清々しく、窓から漂う春の匂いが鼻をくすぐる。新しい一日の始まりを、こんなにも穏やかな気持ちで迎えられることに感謝しながら、私もまた微睡みに誘われていく。

やがて彼が目を覚ますと、きっと二人でゆっくりと朝食を作るのだろう。トーストの香ばしい香りとコーヒーの芳醇な香りが部屋中に広がり、また新しい思い出が作られていく。そんな日常の幸せを想像しながら、私は彼の寝息に耳を傾けている。

朝焼けはいつしか明るい陽射しへと変わり、新しい一日の始まりを告げている。でも、もう少しだけ、この特別な時間を大切にしたい。ラグの上で二人寄り添う、この何気ない幸せを、心に刻み付けておきたい。そう思いながら、私は再び目を閉じた。静かな朝の光の中で、私たちの愛おしい時間は、ゆっくりと流れ続けている。

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