リビングに置かれた大きなラグの上で、私たち家族は寛いでいました。窓から差し込む柔らかな陽光が、部屋全体を優しく包み込んでいます。10歳になる息子の健一は、宿題の図工で作った紙飛行機を得意げに飛ばしており、8歳の娘・美咲はお気に入りのクレヨンで塗り絵に夢中です。
「パパ、見て見て！今度は曲がって飛んだよ！」健一が嬉しそうに声を上げると、私は仕事の書類から目を上げて「すごいじゃないか！どうやったらそんな風に飛ぶの？」と尋ねました。健一は得意げに紙飛行機の翼の折り方を説明し始めます。
妻は台所からお茶とお菓子を運んできて、ラグの上に置かれたローテーブルに並べました。「美咲ちゃん、お絵描きの手を休めて、みんなでおやつにしましょう」という妻の声に、美咲は「はーい！」と元気よく返事をします。
休日の午後のこんなひとときが、私は大好きです。平日は仕事に追われ、子どもたちも学校や習い事で忙しい毎日。でも、こうして家族全員が揃って、何気ない会話を交わしながら過ごす時間は、かけがえのない宝物です。
「ママ、このクッキー、すっごく美味しい！」美咲が目を輝かせながら言うと、妻は「そう？良かった。今日は特別にシナモンを入れてみたの」と嬉しそうに答えます。健一も「僕もう一枚食べていい？」とおねだりの目で妻を見つめています。
窓の外では、季節の風が庭の木々を優しく揺らし、陽光に照らされた葉が光る様子が見えます。室内には、妻の淹れた紅茶の香りが漂い、心地よい空気が流れています。
「そうだ、来週の日曜日、みんなでピクニックに行かない？」私が提案すると、子どもたちは目を輝かせて「行きたい！」と即答。妻も「いいわね。お弁当作りましょう」と笑顔で応えます。
健一は「僕、サッカーボール持っていく！」と張り切り、美咲は「私はお人形さん連れていっていい？」とお願いします。家族で外出する計画を立てるだけで、こんなに楽しい気持ちになれるのです。
ラグの上で転がりながら、健一と美咲は行きたい場所やしたいことを次々と話し始めます。その姿を見ながら、妻と目が合い、二人で微笑み合いました。子どもたちの無邪気な笑顔と、夢いっぱいの話に耳を傾けているだけで、心が温かくなっていきます。
時計の針はゆっくりと進み、午後の陽射しが少しずつ傾いていきます。でも誰も時間を気にする様子はありません。ただ、この穏やかな時間の流れを、家族みんなで共有しているのです。
美咲が塗り絵を完成させ、「パパ、ママ、見て！」と誇らしげに見せてくれました。虹色に彩られた絵は、まさに今の私たちの気持ちのように明るく楽しいものでした。健一も「僕も見せて！」と自分の紙飛行機コレクションを広げ始めます。
妻は子どもたちの作品を褒めながら、さりげなく私の肩にもたれかかってきました。この何気ない仕草に、私たち夫婦の絆を感じます。結婚して12年、子どもたちに恵まれ、こうして平和な休日を過ごせることに、深い感謝の気持ちが込み上げてきます。
外では小鳥のさえずりが聞こえ、部屋の中には家族の笑い声が響きます。この瞬間が、かけがえのない思い出として、それぞれの心に刻まれていくのでしょう。
「もうすぐ夕飯の時間ね」と妻が言うと、子どもたちは「今日の夕飯なに？」と興味津々。「みんなでカレーを作りましょうか」という提案に、「やったー！」と歓声が上がります。家族で料理をするのも、また違った形の楽しみです。
この穏やかで温かな時間が、明日への活力となり、家族一人一人の心を優しく包み込んでいきます。何気ない日常の中にある幸せを、静かにかみしめながら、私たちの休日は続いていくのです。
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